仮想通貨のウォレットの仕組みを専門的な話も交えながらわかりやすく解説していきたいと思います。
仮想通貨を保存するためにはウォレットが必要だと聞いたことがある方も多いと思いますが、実際にウォレットの中には仮想通貨が入っているのか?と疑問に思ったことがある方も少なくないと思います。
結論からいえばウォレットの中には仮想通貨ははいっておらず、実際の仮想通貨はブロックチェーン上に存在します。
ウォレットは「アドレス」「公開鍵」「秘密鍵」の3つの要素でできており、これがブロックチェーン上の仮想通貨と紐付くことで自分の仮想通貨と証明することができるようになっています。
秘密鍵
秘密鍵は仮想通貨の送金を行う際の電子署名に利用することになっています。
非常に簡単にいうとこれがないと送金することができず、これが他人に知られてしまった場合は仮想通貨を盗まれる危険性があります。
公開鍵
秘密鍵を元に作られる暗号で、アドレスの文字列のもとになっている物でもあります。
基本的には他の人から仮想通貨を受け取るために使われ、他人に知られても問題ないようになっています。
アドレス
公開鍵を元に作られる暗号で、他の人が持っている仮想通貨を受け取る際に必要になります。
アドレスは秘密鍵に紐付いているため、このアドレスに送られた仮想通貨は秘密鍵を使うことで自由に使うことができるようになります。
ここまでウォレットの仕組みについて非常に簡単に説明しましたが、ウォレットにはいくつかの種類があることをご存じの方も多いと思います。
ウォレットは大きくわけると以下の4つになります。
- ハードウォレット
- ソフトウェアウォレット
- モバイルウォレット
- Webウォレット
これらはウォレット自体の仕組みは同じですが、誰にも知られてはならない秘密鍵の保存方法が異なります。
つまり秘密鍵を盗まれる危険性=仮想通貨を盗まれる危険性となっているというわけです。
ハードウォレット
ハードウォレットでは専用のデバイスに秘密鍵が保存されており自分でも見ることができないようになっています。
完全オフラインであるためハッキングされる心配もなく安全に仮想通貨の運用を行えます。
ソフトウェアウォレット
ソフトウェアウォレットはパソコンに専用のソフトウェアをインストールして自分で秘密鍵を管理する方法になります。
秘密鍵をローカルに保存するのでハッキングの可能性は低くなりますが、パソコン自体がウィルスに感染していたり直接ハッキングされれば第3者に秘密鍵が流出する可能性はあります。
モバイルウォレット
モバイルウォレットはスマートフォン上に秘密鍵を保存する形式となっているためスマートフォンがハッキングされない限りは秘密鍵が漏れる心配はありません。
スマートフォンのハッキングの事例というのはパソコンに比べればまだまだ少ないですが、それでもリスクがあることに変わりはありません。
Webウォレット
Webウォレットは運営元がWeb上に秘密鍵を保存しているためハッキングにより流出してしまう可能性が最も高くなっています。
Webウォレット自体がハッキングされた事例はこれまでにまだありませんが、リスクとしては最も高くなっているため長期保有には向いていません。
取引所のウォレット
これらとは別に取引所にもウォレットがあるのですが、これはすべての情報を運営元が握っているためウォレットとは少し様相が異なっています。
また仮想通貨が流出するのは大抵取引所がハッキングされた時であり、仮想通貨を管理する方法としては最もリスクが高い方法となっています。
ここで紹介したウォレットは上に行くほどセキュリティが固くなっているので、長期間にわたって運用しようと思っている場合はソフトウェアウォレット以上のものを利用することをおすすめします。